今日の日記のタイトルを見て
「あ~、まずいなんて書いてあるけど、カテゴリーはグルメだし、実は逆にうまいラーメン屋を紹介する記事だな、分かってるんだよ、この野郎」
なんて思ってクリックしてしまったあなた。
深読みもほどほどにしなさい。
今日の日記は真実混じりっ気無し、シンプルにしてコンプリートリーにまずいラーメンの話です。
その日、まあ一昨日のことなんだけど、職場でとある中学校の同窓会があって、その二次会までサービスとして入った。
仕事が終ったのが夜の9時頃。
一緒に二次会に入ったA課長が三島駅まで送ってくれることになり、ついでにラーメンでも食べて行こう、という話になった。
じゃあどの店に、という段になって前から話していた北海道ラーメンの店にしよう、ということに。
静岡県内でラーメンのチェーン店、というと古くは一番亭、最近は幸楽苑があるのだけれど、三島六本木交差点からバイパスをやや西よりに向かった所に北海道ラーメンD丸、という店が出来た。
早くも行ってきた、というJの話によると北海道らーめんだけに味噌ラーメンが売りで、値段は一杯600円台から、という話だった。
おれもA課長も実は味噌ラーメンってそんなに好きじゃない。
どの店で食べてもはずれも無いけど、大当たりも無い (これがどれほど誤った先入観であり、偏見に過ぎなかったか、というのが今日の日記のメインテーマです)。
それでもたまには自分の好みを離れて冒険をしてみよう、とその店D丸に向かう。
店に入ると、さすがに夏休みで土曜日の夜、店内のテーブル席はいっぱいでカウンターに座ることに。
メニューを見る。
種類はJの言葉通り、普通と辛口の2種類の味噌ラーメンをメインに、塩、醤油、坦々麺と結構豊富にある。
値段は600円~680円からトッピング次第で割増料金になる。
セットでサラダをつけたり、ハーフサイズのご飯メニューをつけたりも出来て、それで大体800円台の値段。
餃子は普通、ピリ辛、にんにくの入らないシソの三種類で200円。
課長は味噌ラーメンと半チャーハンのセット+しそ餃子さらにノンアルコールのグラスビール、おれは塩こがしネギラーメンとハーフスタミナ丼セット+ピリ辛餃子に決めて注文。
店員のほとんどは若いおねーちゃんたちで、ずーっと厨房との仕切り越しにデカイ声で話し続けている。
私語、というわけじゃなくて仕事か仕事の確認のことを話しているんだけど、何しろカウンターに座っているのでその内容や、合間に起こる笑い声も全部聞こえ、ケタケタ笑う姿も目に入ってくる。
オーダーを取りに来た子は多分まだ10代で多分高校生くらいの年代。
この子と麺を茹でたりする厨房の女の子が、オーダーの確認をしているんだろうが、ずーっと 「B5?B5っすか~?」 「Bだよ、B5だって」 「はあ?B5?」 とか、言いながらオーダー表と出来上がった料理を見比べながらデカイ声でやり取りとしてる。
他人の店ながら、厨房カウンターに乗せられたラーメンがなかなか運ばれて行かないことが多くてハラハラする。
オーダーした時に分かったんだけど、この店ではラーメンを頼むとライスが一杯無料で付いてくる。
ご飯物のセットを頼んでいるのに、店員のおねーちゃんはさらに 「ラーメンにはライスが付くんですけど、どうしますか?」 と、聞いてくる。
どんだけ食わす気だ。
課長と2人で固まった後 「ご飯物のセット頼んじゃったからいいや」 と、答える。
それからずいぶんと待たされることになった。
なにしろカウンターが厨房の真正面にあるので様子が丸分かり。
麺を茹でているねーちゃん、明らかに茹で上がった麺の湯切りをしていない。
規定の時間茹でたら、ザルで上げてそのままドンブリの中へ入れている。
嫌な予感。
課長がいきなり 「まあ、ギリギリセーフだな」 と、つぶやく。
ラーメンが来たわけでもないのに?と思ったら、なかなか出てこなかったノンアルコールビールがようやく運ばれてくるところだった。
「もう少し放っておかれたらキレてたね」 と、一言。
まだラーメンも餃子も出来上がる気配が無い。
やっと来たのが餃子。
食べる。
餃子はおいしいけど、口の中にダシ汁みたいなものがじゅわ~っと出てきて、これが熱くてヤケドしそうになるのが怖いんだよな~………あれ?
ぬるい。
ヤケドの心配どころか、もう少し冷めたら明らかに冷たいレベルのぬるさ。
嫌な予感2、デッドマンズ チェストだ。
A課長はB型で大雑把に見えるし、実際大雑把なところもあるんだけど仕事関係にはチェックが厳しい。
じっとビールを飲みながらグラスを見ているので、グラスじゃなくてジョッキにすれば良かった、と後悔でもしているのか、と思ったら 「こんだけ飲んだ後もグラスに泡が残ってるってのは、汚れが落ちてないからだな」 と、管理職の貫禄を見せる。
嫌な予感3、王の帰還だ。映画が違うか。
そしてやっと来たラーメンは。
もちろん、ぬるかった。
見た感じ、おれの塩こがしネギラーメンはいい感じだった。
麺とスープの上にたくさんのネギと揚げて焦がした玉ねぎが山盛り。
待たされた甲斐があったかな、と思って一口。
ラーメンって特に出来上がったばかりの時ってスープの表面を覆った脂が熱々でヤケドしそうになるんだよな~……もうオチを先に言っちゃったけど、ぬるい。
課長の方を向いて 「ぬるいっす」 のSOS信号を送るも、課長も目を剥いてこちらを見るところだった。
「熱くはないね~」
さすがに課長は大人で穏当な表現で抑えている。
この時点でセットのご飯物はまだ製作中。
こうなればそちらにこれから払う金額分の期待を寄せるしかない。
そしてやってきた半チャーハンとハーフスタミナ丼。
チャーハンには、香ばしさの欠けらも無く、困ったことに味まで無い。
スタミナ丼(ピリ辛焼き肉丼?)は夢に出てきそうなくらい味が濃い。
おれは子供の頃から食べ物の好き嫌いが激しくておそらく他の人より多くの食べ物を無駄に捨てている。
だからせめて好きな、食べられる物だけはたくさん食べて決して残さないようにするのが信条だったのに。
残してやった。
あまりのまずさと、店のだらしなさにひそかに抗議の意味も込めて。
それでもちゃんと料金を支払って出て来たんだけど、支払いのレジに立った子がまた慣れていなくてチェックに時間がかかる。
おれに自分の分の金を預けて後ろで座って支払いが終わるのを待っていた課長、実はこの時、店長を呼び出して一言言ってやろうか、と本気で考えていたことが後ほど判明。
帰る頃にはおれも課長も無口になっていた。
贅沢をしたい、とは思わないけど、一生の間に限られた回数しかない食事の時には、せめてまずくないものが食べたい。
とても悲しい気持ちになっていた。
帰りに駅まで送ってもらう車の中では怒りの言葉、というよりは愚痴ばかりが飛び出す。
駅について車から出る時には 「きっと今にいいこともあるから」 と、お互いを励まして別れた。
恐るべし伝〇。
2度と行くもんか。
しかし、おれの手元にはレジで渡された餃子の無料券が2枚ある。
自分で使う気はない。
誰かに渡して、餃子がタダだから、とでも言ってあの口惜しさを思い知らせてやる、ぐへへへへ。
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